お菓子の資格で製菓衛生師ってよく耳にするけど、持っていればお給料は上がるの?
食の世界で働くには必ず必要なの・・・?どうすれば取れるのかも教えて欲しい!!
そんな質問にどこよりも詳しく解説していきます!
記事の信頼性
本記事はこんな人におススメです♪
- 製菓衛生師が食の業界で働く上で必要かを知りたい人
- 調理師専門学校に進学して製菓衛生師を取ろうと思っている人
- 製菓衛生師を持っていると給料が上がるのかを知りたい人
- 専門学校に行かなくても製菓衛生師は取れるのかを知りたい人
製菓衛生師は食の仕事に就く上で必ず必要な資格ではない
はじめに製菓衛生師はお菓子の仕事に就く上で必ず必要な資格ではありません。
そうなんだね・・・製菓衛生師の資格が無くても働ける場所があるって事かな?
世間一般のイメージでは「お菓子の仕事=製菓衛生師を持っている」というイメージも強いかと思います。
なぜなら製菓衛生師は国家資格にあたるからです。
しかし必ずしもそういう訳ではなりません。
製菓衛生師はお菓子の仕事に就く上で必ず必要な資格ではないという事をまずは覚えておきましょう!
製菓衛生師の資格が無くてもお菓子の世界で働くことができる
お菓子の世界には多くの仕事があります。
例えば・・・
レストラン・製菓店(ケーキ屋さん)・製パン店・ホテル・ブライダル・カフェなど。
実績のある人であれば、お菓子や料理の商品開発・公邸料理人・料理研究家・フードスタイリスト・お菓子教室の講師、等々。
実はこれらの仕事に就くのに製菓衛生師は必要ありません。
TVに出ている有名なケーキ屋さんのオーナーや、ホテルの製菓長でも製菓衛生師を持っていない人もいます。
なぜお菓子の世界で働いているのに、製菓衛生師を持っていない人もたくさんいるのかについても解説していきます。
製菓衛生師は名称独占(めいしょうどくせん)資格にあたる
名称(めいしょう)資格って何だろう・・・?
簡単に説明すると、その資格を持っていれば名乗れる名称の事かな!
私は「製菓衛生師」ですって!
詳しく解説します!
世の中の資格には何種類か種類があります!
例えば、車を運転しようとするときには必ず「自動車免許」が必要ですよね!
自動車免許を持っていない人が車を運転すると罪に問われます。
このように持っていないと、その業務や内容に携われない資格を「業務独占資格」といいます。
次に調理師免許や製菓衛生師などは「名称独占資格」にあたります。
「名称独占資格」とは、資格を取得した人だけが特定の肩書きを名乗ることでき、資格取得者以外はその名称を名乗ることのできない資格を指します。
ケーキ屋さんで働くスタッフ2人を例に見てみます。
製菓衛生師を持っているスタッフA=「私は製菓衛生師です」と名乗る事ができます。
製菓衛生師を持っていないスタッフB=「私はパティシエです」と名乗る人が多いです。
スタッフAもBもお店の中では同じ仕事をしています。
「名称独占資格」は業務独占資格業務のように、資格を取得している人だけが業務を行えるといったものではないという事です。
なるほど!製菓衛生師は名称独占資格だから持っていなくてもケーキ屋さんで働いている人がいるんだね!
その通り!ただ国家資格は国家資格!持っていると信頼感があります!
資格を持っていなくても業務自体は行えますが、国家資格という肩書きがあることにより信頼度が高まります。
国家資格を取るために費やした時間や努力、知識や技術が評価され信頼に繋がっているという事は必ず覚えておきましょう!
製菓衛生師を「持っている」「持っていない」で給料は変わる?
そう!これが一番気になっていたんです!実際どうですか!?
皆さん気になりますよね?この質問は私もよく受けます。詳しく解説していきますね!
結論から言うと製菓衛生師を持っていてもお給料はほぼ変わりません・・・
ちなみに料理の国家資格である調理師免許の資格を持っていてもお給料は変わらない事が多いです・・・
私の知っている範囲では、どの調理師専門学校・製菓専門学校の生徒も卒業時に調理師免許や製菓衛生師の資格を持っているからと行って給料が上がる就職先はほぼ無いです。
なぜかというと、例えば自動車免許を持っていれば車を運転できますよね?
ただし、運転する事はできても、運転の上手い・下手は、実際にその人の運転を見てみないと分かりませんよね?
これは私の経験上ですが・・・
製菓衛生師という国家資格を持っているだけで、美味しいお菓子を作れるという保証は無いという事です。
中には製菓衛生師を持っていても技術や知識が乏しい人も多くいます。
つまり、ホテルやケーキ屋さんといった雇う側からすると「製菓衛生師を持っている人」に多く給料を払うのではなく、
「しっかりとした技術や知識を持っている会社に貢献できる人」にお給料を多く払いたいと思っているはずです。
もちろん、美味しい料理やお菓子を出す前に「食の衛生面や安全面」を理解しておくことが大前提になりますので
そういう意味では国家資格である製菓衛生師を持っているという事は、食品や栄養、衛生に関する知識を持っていることを証明できる形になりますし、
製菓衛生師を取得をしているという事は、製菓技術や知識を一通り習得しているという事を意味するので、相手に関しては信頼感を与えることができると言えるでしょう。
製菓衛生師の資格を取得するには?
国家資格である製菓衛生師の取得方法についてはハードルが高く感じられる方も多いようです。
未経験でも大丈夫ですか?主婦でも取得を目指せますか?とご質問も多くいただきます。
取得方法やメリットについても解説していきます。
認可を受けた専門学校に1年間通い卒業時に受験資格を取得する方法
私が毎年多くの高校生や社会人と会話する中で、国家資格である製菓衛生師の取得には「試験が必要で取得は難しいのでは?」と思っておられる方が多いようです。
実は現実的にはそこまで難しくはありません。
1つめの方法として国から認可を受けた製菓の専門学校で1年の期間、資格取得に向けた必要な単位を取得すれば卒業と同時に受験資格を取得することができます。
受験資格の取得ですので、専門学校の1年制コースの場合は卒業後に自分で試験を受けにいく形となります。
簡単に説明すると、、、
「〇〇専門学校」製菓1年制コース ⇒ 卒業と同時に受験資格を取得。卒業後に自分で受験
「〇〇専門学校」製菓2年制コース ⇒ 学校に通う2学年の時に学校単位で試験に臨む
というケースが多いようです!
難関な試験を突破する必要がある他の国家資格に比べると、未経験でも1年間専門学校に通えば受験資格の取得が可能ですので、取得自体は容易な部類に入ります
ただし、専門学校に通って製菓衛生師を取得しようと考える場合には注意が必要です
上で解説したように、食の世界は「技術や知識」の世界になります。製菓衛生師を持っていればお給料が上がる!という訳ではありません。
まず知っておかなければならない事として、専門学校は国家資格を取るための授業時間数は決められています。
例を挙げるとこのような形です。
■栄養 → 〇〇時間以上
■実習 → 〇〇〇時間以上
■食品衛生 →〇〇時間以上
他にも色々な科目はありますが、このような形でそれぞれの科目の最低の授業時間は国から定められています。
しかし、どんな形式で授業を行うのか、どんな食材を使って授業をするのか、どんな先生が何人で教えるのか、具体的な内容は各専門学校に任されています。
もちろん1年間の学費も学校によってまったく違います。1年80万の学校あれば1年250万の学校もあります。
つまり、通う専門学校よって同じ製菓衛生師の資格を取得するけれども、学べる内容は全く違うという事です。
製菓衛生師の資格を取得してすごい技術や知識を持ち合わせて卒業する学生もいれば、取得はできたけど家庭料理程度しか作れないレベルで卒業していくなんて学生もいるという事です。
専門学校に通って製菓衛生師の取得を考えている人は、学校選びに十分に注意しましょう!!
現場で2年間実務経験を積み試験を受ける方法
専門学校に1年以上通い受験資格を得る、または専門学校在学時に受験して製菓衛生師を取得する方法とは別の方法をご紹介します。
それは、直接現場にて実務経験を2年以上積み試験を受ける方法です。
実務経験を2年積む事で製菓衛生師の試験の受験資格が得られますので、各自で申請しチャレンジする形になります。
受験に必要な学歴は「中学校を卒業している」ことが必要です。
試験は年1回が通常。年によっては年2回の実施もあります。
試験内容としては選択式の実技に加え、座学の筆記試験(マークシート形式)になります。
筆記試験は・・・
- 衛生法規(3問)
- 公衆衛生学(9問)
- 食品学6問)
- 食品衛生学(12問)
- 栄養学(6問)
- 製菓理論(18問)
- 製菓実技(選択6問)
の6科目から出題され6割以上点数が取れれば合格になります。
詳しくは全国製菓衛生師養成施設協会が出されている要項をご確認ください。
製菓衛生師取得のための試験の合格率と他の国家資格の合格率
製菓衛生師の試験は、都道府県ごとに実施され、問題や合格率は都道府県によって異なります。
過去5年間の合格率は、全国平均で65~70%程度ですので、国家資格の中ではそこまで難しくない試験と言えます。
以下が代表的な国家資格の合格率になりますので参考にしてください。
司法書士 → 3.5%
社会保険労務士 → 5%
行政書士 → 11.5%
管理用栄養士 → 60-65% (※2-4年の養成施設卒業生&栄養士免許取得者)
調理師 → 65-70% (2年の実務経験後に試験)
※栄養士の資格は2年養成施設に通えば無条件で取得可能
いかがでしょうか?
製菓衛生師は国家資格の中でもそこまで難しい資格ではありませんので、ご自身で勉強されても合格できる可能性は十分にある資格になります。
製菓衛生師の取得メリット
本記事で解説してきましたように、お菓子の仕事を行うにあたり製菓衛生師の資格は必須ではありません。
しかし製菓衛生師を取得をしているともちろんメリットもありますので簡単に紹介をしていきます。
製菓衛生師と名乗る事ができる
調理師免許は「名称独占資格」と呼ばれる資格の種類に分類されます。
名称独占資格とはその名の通り、資格を持っていなければその名称を名乗ることができないという意味を持ちます。
つまり資格を取得していなければ製菓衛生師を名乗ることができないという事です。
持っていない人はパティシエと名乗る形になります。
私のような食の業界で働く人にとっては、製菓衛生師を持っている事が美味しい料理やお菓子を作る技術や知識の証明にはならない事を理解していますが
世間一般の人からすると「製菓衛生師」は特別な資格です!それくらい国家資格の価値というものは重いという事です。
自営業や副業など人生の再スタートにもピッタリ
製菓衛生師の取得を目指す人の中には、ケーキ屋さんやレストランやホテルなどへの就職ではなく、自営業や料理教室といった副業を始めるために取得を目指すという社会人の方も多くいます。
そのため製菓系の専門学校などは年齢層も幅広く、さまざまなバックグラウンドを持つ方が毎年入学をされます。
※私の働く専門学校でも10代-60代の方まで様々な方が学校に通われています。
高校生からストレートで進学する方は社会の方との年齢差に緊張するかもしれません。
しかし社会に出れば当たり前となりますので、一歩早い社会人体験だと思って積極的に仲良くし関わりを持っていく事が大切です。
社会人の方も同様に、働く際には年齢の若い人も多いのが食業界の特徴になりますので、早い段階から考え方や価値観の違う若い人たちと触れ合う事は大きなメリットがある事でしょう。
結論:製菓衛生師について・・・
製菓衛生師について色々分かって良かった!
ここまで解説してきてククリ先生的には資格は必要だと思う?
ここまで調理師免許について解説してきましたね。ここからは資格についての私の考えを記載していきます。
製菓衛生師を持っている人は全国に溢れている
今日本には製菓衛生師や調理師免許を持っている人たちで溢れています。
しかし残念ながらそのすべての人たちが「食の世界」で働いている訳ではありません。
中には、競争の激しい食の世界を離れていってしまった人も多くいます。私の周りでも食の世界を辞めて別の仕事をしている仲間も実際にいます。
何度もいうように、食の世界は「技術と知識」が必要です。
製菓衛生師という国家資格を持っていても、おいしい料理やお菓子を作れなければお客様は来てくれません。
資格を持って専門学校を卒業していると就職に有利
前述でお伝えいたように、資格を持っている・持っていないで給料は変わりません。
ただし、どこに就職できるかは別になります。
国家資格である製菓衛生師を持っており、専門学校でしっかりとした技術や知識を学んでいれば、就職に強くなります。
中には、「資格を持っている+専門学校を出ている」という条件でなければ就職できないという、就職先も多く存在しています。
昔は、料理人やパティシエは現場でいろいろな経験をさせ育てていくという職人気質の考え方でした。
しかし、食の世界もどんどん変化しています。
働き方改革による労働時間の短縮により、大手の企業や店ほど働く時間は短くなり、働きやすい環境になりました。
同時に、働く時間が短くなったことで、技術向上ための個人の練習時間や作業時間が無くなっているのも現状です。
またSNSの発達により、全国どの企業やお店の情報もすぐに手に入るようになりました。
これにより、より競争が激化したのも食の業界です。誰でも美しくておいしい評判のお店にいきたいですからね。
つまり、現場サイドとしては、やる気のある人を採用して現場で育てていくという考え方から
すぐに活躍できる「即戦力」を求めている環境になったといえます。
なぜ専門学校で学ぶべきなのかを理解して欲しい
私個人としては、安心で安全で、かつ美味しい料理やお菓子を作る技術や知識があれば製菓衛生師を持っている、持っていないは大きな問題ではないかと思っています。
実際に少数ではありますが、人気店のオーナーやホテルの製菓長でも製菓衛生師を持っていない人もいますからね。
皆さんも以下のようなお店でしたらBのお店を選びませんか?
A店:全員が製菓衛生師の資格を持っている。ケーキの味はそこそこ!
B店:誰も資格を持っていない。味は絶品!!
このように食べに行く側からすると、資格を「持っている」「いない」はあまり関係ありません。
ただし、私が思うに「技術や知識を取得することを目的に」専門学校に進学するという事が大事かと思います。
目的の違いですね。
製菓衛生師を取得するために専門学校に通うのではなく、食の世界で通用する「技術や知識を学ぶため」に専門学校に行くべきだということです。
それは、専門学校で学べる内容に意味があると考えているからです。
今、食の世界では安心で安全な料理やお菓子を提供することは当たり前で、プラス美味しい料理やお菓子を作れる技術や知識を持つ人が生き残っていく時代です。
そのための技術や知識を自分の力だけで習得するには莫大な時間や努力が必要です。
※一流店では、弟子入りしてケーキを作らせてもらうのに5年かかるなんて話も実際にまだあります。
技術や知識を早く身につけるには「人から教えてもらう」のが一番の近道です。
専門学校では、正しい技術や知識を身につけた先生からじっくりと料理やお菓子を学ぶ事ができます。
もちろん、専門学校に通うにはお金がかかりますし、専門学校にも正直あたりとはずれ(学べる内容の濃い薄い)があります。
本記事をここまで読んでくださった方は、将来は食の世界での活躍を夢見ているのではないでしょうか?
大人になると「お金」の大切さと同じくらい「時間」の大切さを感じます。
夢を叶えて食の世界で活躍する理想の自分の姿が、5年後に実現できるのか、それとも20年後になるのか。
それはあなたがどんな道を選択するのか、またはどの専門学校に進むのかで大きく変わります。
ぜひ本ブログの色々な記事を読んでいただき、進路選択、将来選択の参考にしていただければ幸いです。
これから製菓衛生師を目指す人におススメの一冊🎵
専門学校で製菓衛生師の取得を目指すにしろ、現場に入り独学で製菓衛生師の取得を目指すにしろ、
本記事を読んでいる読者の皆さんは、近い将来 パティシエとして活躍する姿を描いている人は多いはずです。
「こんな内容を勉強するとは知らなかった・・・」と専門学校に入学してから焦らないように・・・
「私でも取れる資格なのかな・・・」と自分で独学でも取得できる資格なのかをまずは確認するためにも・・・
事前に少し知識として頭に入れておくことは心の安定に繋がります。
製菓衛生師に関する書籍はたくさん出版されていますが、私は下記の1冊が特におススメです!
まず、製菓衛生師の試験は各都道府県で問題が違います。
こちらの一冊は、なんと都道府県別の出題傾向を分析して出題される割合まで出している!という優れものです。
出題傾向にあわせて作られていますので、高校生や専門学校生、一般受験者までこれ1冊で試験対策も可能です!
お値段もお手頃ですので、製菓衛生師を目指される方、パティシエとしてのプロの知識を得たい方におススメです♪
最後までお読みいただきありがとうございました!
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